日台企業間協力を強化し 世界市場の勝者に
台湾ビジネスマッチングイベント開催記念企画
地政学的リスクや保護貿易主義の高まりが国際サプライチェーンの再編を余儀なくさせている昨今、台湾は包括的な産業集積と強固な物流インフラを武器に「信頼されるパートナー」として存在感を強めている。半導体やIC設計、電子部品の分野で世界をリードするだけでなく、精密機械、自動車部品、航空宇宙、医療機器、再生可能エネルギー技術など高付加価値産業へ積極的に進出してきた台湾。11月に開催されるビジネスマッチングイベントを前に、その実力と日台協力の展望を確認しよう。
補完関係により深化を続ける日台連携
日本と台湾は長年にわたり高度に補完的な経済関係を築いてきた。2024年の双方向の貿易額は722億米ドルに達し、日本は台湾にとって第3位の貿易相手国、台湾は日本にとって第4位の貿易相手国である。日本は半導体製造装置や関連素材、工作機械、自動車部品、エネルギー関連分野に強みを持ち、台湾企業は一貫した品質管理と柔軟な対応力で日本のサプライチェーンの一端を担ってきた。例えば自動車部品分野では、台湾にとって日本は第2位の輸出国であり、安定した品質と納期対応力で信頼を得ている。国際企業にとって台湾は、先端技術や高度な製造力、協調的ビジネスモデルを提供する、高いイノベーション能力と安定した供給網を備えた存在だ。この特性はまた、変化を続ける国際市場において台湾がプレーヤーとしての確固たる地位を確立してきた理由といえるだろう。
世界から信頼される台湾製造業の強み
金属製造・精密加工産業における台湾の強みの一つが、柔軟な供給網だ。台湾全土には2万社以上の関連企業が存在し、原材料処理から最終部品製造までをカバーする完全なバリューチェーンを形成。中でも中南部のクラスターは成熟度が高く、大規模量産から少量多品種生産まで柔軟な対応力を発揮している。そして、スマート製造と高付加価値化の成功も大きい。例えばファスナー産業では、低価格競争に陥るリスクを回避するため、従来の市場に加えて航空宇宙や医療、自動車分野へも進出し、欠陥防止システムや最適化された工程管理の導入を進めてきた。こういった取り組みは、高付加価値なニッチ市場に進出するという戦略的転換であり、伝統的な大量生産から知的かつ価値志向型の生産体制への移行を支えている。さらに、DXを推進しながらESG対応で国際競争力を強化してきた点も大きい。生産管理の自動化によって歩留まりを改善するなどデジタル変革で世界の先端を走り、脱炭素化や資源効率の向上などグリーンかつ持続可能な製造体制を確立している。
高度な精密加工技術で応用分野を拡大
台湾の精密加工技術は、自動車、電子、機械設備、工作機械、半導体装置など幅広い分野で活用されている。自動車分野では、エンジン、トランスミッション、シャーシ部品などを供給し、多くのメーカーが国際基準であるIATF 16949認証を取得。電子分野では、ノートPCやスマートフォン向けに精密金属筐体や放熱モジュール、コネクターを提供している。工作機械分野では、主軸台やタレット、リニアガイドといった主要モジュール部品などを国際企業に供給。さらに半導体分野では、真空チャンバーやウェーハキャリアといった高精度部品をクリーンルームで生産している。これら多様な応用分野は、台湾のサプライチェーンの柔軟性と高精度加工能力を裏付けているといえる。
新たなシナジーを創出する大型商談会
2025年11月10日から14日まで東京・大阪・福岡の3都市で台湾企業約100社が参加するビジネスマッチングイベントが開催される。これは、金属加工、板金加工、非金属加工、精密部品、工作機械、工具など幅広い分野の台湾製造業者と、日本の大手商社やメーカーが直接商談を行える場だ。都市ごとの特性も考慮されている。東京は商社や精密製造業の本社が集中する拠点、大阪は西日本の製造・貿易の中心、福岡は半導体や自動車の集積地である。それぞれの地域特性と台湾の強みを結びつけることで、具体的なビジネス機会の創出が期待されているのだ。同イベントには、2022年以降だけでも累計600社以上の日本企業が参加し、約1500件の商談が実施された。過去には三菱グループ、デンソー、トヨタグループ傘下企業、大手工具メーカーなども参加、着実な成果をあげている。世界有数の製造拠点である日本は、品質基準に強いこだわりがある。この対面商談会は、台湾製品の競争力や技術的優位性を知るだけでなく、台湾製造業の包括的な実力を理解する絶好の機会であり、長期的な協力関係を築くための基盤を整えるチャンスといえるだろう。

未来を見据えた日台関係の強化に期待
今後、日台協力は半導体、新エネルギー車、先端電子機器分野において一層強化されていくと考えられる。日本の先端的な研究開発能力と台湾の精密加工技術、柔軟な生産力を組み合わせることで、国際競争力を高めることが可能になるからだ。台湾は「世界の工場」ではなく「世界のパートナー」として位置づけられつつあり、日本企業とのパートナーシップを通じてさらに産業構造を進化させることが期待されている。両国の補完的な強みは、今後も持続的かつ戦略的な成長を後押しするに違いない。近年、世界の貿易環境はサプライチェーンの分断や不確実性の高まりにさらされている。こうした課題により、あらゆる産業分野で生産体制の見直しが急務となっており、海外を含む各拠点での適応力やレジリエンス力の強化が求められている。日本の製造業と台湾の精密部品産業は、長年にわたり良好な関係を維持してきた。技術革新による研究開発の加速、サプライチェーンの統合、新興産業の発展は、両国の安定的かつ互恵的関係の構築に貢献してきたが、双方の世界市場での競争力を高めるためにも引き続き強化と深化を続けるべきだろう。台湾企業の世界水準の生産能力と日本企業の最先端をいくイノベーション能力。今回のビジネスマッチングイベントを機に日台関係がより深化し、高付加価値産業における双方の国際的地位が一層向上していくことを期待したい。
イベント概要
「台湾精密加工部品調達商談会」には精密部品・工業用部品・機械部品関連メーカーやトレーダーが、「台湾ハイエンド金属製品・ハンドツール調達商談会」には精密金物・プロ用ハンドツール・高級ファスナー・金型関連企業が出展予定。入場無料・入退場自由で日本語通訳を配備。詳細は会場ごとの詳細情報ページへアクセスを。
- 福岡会場:11月10日(月)10:00〜16:00 グランド ハイアット福岡
- 大阪会場:11月12日(水)10:00〜17:00 スイスホテル南海大阪
- 東京会場:11月14日(金)10:00〜16:30 新宿京王プラザホテル
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